コンビニ人間 /村田沙耶香 /文春e-book
主人公を、「本当はギリ社会不適合だけど、あくまでもギリだから、
どうにか上手いとこ、狭い人間関係の中で生きていけてる人」っぽい書き方だけど、
白羽さんと向き合って話を聞きながら、
尚且つ、自分の生活圏内に入って来られても
呈良くあしらって生活できるって、相当凄いと思うわ。
そこらへんの人よりも社会に適合してると思うけど。
私は白羽さん、絶対ムリ。
どんな関係でもムリ。彼の思想なんて聞きたくもない(笑)
愚者の毒 / 宇佐美まこと/祥伝社文庫
今の所、今年一番面白かった本。
楽しい昭和の、日影の世界。
筑豊の村全体の、集団貧困がえげつなさ過ぎて、
読むのに気力だけじゃなく、体力も必要とされる感じ。
早い段階で、話の全体を見せてくれたから一気に読めたけど、
最後まで小出し戦法で来られたら、心が折れるレベル。
子は親を選べないし、
底辺から這い上がる為には、綺麗なままじゃ、まず難しい。
お引っ越し/ 真梨幸子/ 角川文庫
得意の「なんとなくリンク型」短編集。
前、住んでた人について考えだしたらもう、アウトでしょ。
この人の話は、
「おまえ、明日は我が身だと思えよ」的な話だから、
ゾワるけど止められない。
ヒキコモリ漂流記 / 山田ルイ53世 /マガジンハウス
ずっと前から読みたかったけど、なんとなく恐くて読めなかった本。
自分一人だけが、味が無くなったガムを永遠に噛み続けているような、
いわば「思い出の自転車操業」
第一話からこれだもの。辛い…。辛すぎる。
ここまで客観的に自分の過去を見れるって、ほんと凄いわ。
思い出すだけで胃が痛くなるような気持ちで書いたのだろう。
誰にも言わずに大学を去った時の彼の気持ち、
私も同じような事をした事があるから、よく理解できたわ。
消失! /中西智明 /講談社ノベルス
まじかー。
うん、なんとなくねー、違うんだろうなとは思っていたのだけど…。
いや、まさかね…。
楽しめましたよ。気になっていたから、読んでよかった。
どこの家にも怖いものはいる / 美津田信三 /中公文庫
どれもホントに気持ちの悪いはなし。
どの話も結構、バッサリ終わる話だから、
最後に推理して、一つにまとめたいのは分かるけど、
あそこまで推理しあう必要あるかな。
実は、全ての話が人為的に行われた犯罪だとしたら、もちろんアリだけど。