前略、豪州より

お待ちいたしておりました。 ゆっくりしてってね。

カテゴリ: アリススプリングスへの道

遂にダーウィンを離れる時が来てしまいましたが、
ノーザンテリトリー州を出てしまったら、この州に行く機会はなかなか無い気がします。


だけど悔いは残したくないので、
ブリスベンに向かう前に、一旦アリススプリングスまで下る事に決定。

そうしよう。

エアーズロックには行った事があるので、

今回はゼイタクにも

「エアーズロックに行かない、アリススプリングス滞在」です。

アリススプリングス周辺をグッと掘り下げてみようと思いましてね。

グッと掘り下げるなんて言っても、今回は4WDではないので、
行動範囲はかなり制限されてしまいますが。

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ダーウィンから約1500km南、レッドセンターと呼ばれる
この国の真ん中辺りにあるアリススプリングスは、
オーストラリアの南、アデレイドからイギリスまでの電信線の中継地点として始まった街で、
街の名前はある電信技士の奥さんの名前から付けられました。

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私が行ったのは6月中旬でしたが、砂漠のオアシスであるこの街は、
明け方には気温2度まで下がる、ワイルドっぷりの街です。

オーストラリアを縦断する、スチュアートハイウェイ沿いにも中継所が残っていますが、
この街の外れにも当時のままの石造りの建物が残っています。

当時の生活用品も残っていて、時間をかけて見入ってしまいました。

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ところで、
旅に持って行く服は、捨てても惜しくないけど、できればしっかりした生地にこした事はない。
だからいつもなかなか捨てられない、古いけど生地の良い服を持って行きます。
 
この旅に防寒着の一つとして持って行った

コムサのトレーナー。

覚えている友人もいるかもしれません。


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思い起こせば22年前に買った気がする。

22年前(笑)




もう、ちょっとしたアンティークです。

で、

また捨てることなく引っ越し完了。



このシリーズはマジで長くなりそうな予感。
私的、かなり興味深い旅だったからね。

ただ、4WD ではないので、行動範囲はかなり狭い。
訪れた季節はパーフェクトだったのだけど。

だけどまぁ、とりあえずまず東側を極めよう。

以前書いた事があると思うジョン・フリン師。

あの$20札の彼。

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フライングドクターサービスは、
医療施設の無い地域に住む人たちが、緊急時に無線で医師によるアドバイスを受けたり、

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もちろん医師が飛行機でさっそうと現れたりの、

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ジョン・フリン師の活躍で、1928年に始まった医療サービスです。




この旅ではこのフライングドクターサービスの話が何度か登場しそうです。
かなり内陸を移動するからね。



1951年に亡くなったジョン・フリン師のお墓は、街から少し離れたギレン山にあります。

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丸い石は当初、ここから約400km北のデビルスマーブルから運ばれてきた石でした。

デビルスマーブルはこんな石がゴロゴロしてる不思議な場所ですが、

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この辺りのアボリジニが

「え。ちょっ。あの石、勝手に持って行ったよね」

みたいになって近年、揉めていたらしいのですが、

アリススプリングスから、東に延びるRossハイウェイを50km程走った所にある、

Jessie gapと、

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Emily gap

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この辺りのアボリジニがひと肌ぬいで、
彼らの土地から、ジョンフリン師の墓石にぴったりの丸い石を提供されたので、
1999年にこれらの2つの石が交換されて、

初代の墓石が無事デビルスマーブルに返還された事で、
どうやら丸くおさまったらしいです。

そのRoss ハイウェイを更に進んでみたけど、

それはまた別のお話。


Rossハイウェイを約75km、Trephina gorge。

トレフィナ渓谷国立公園です。

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いやぁ、この季節、ドライで最高です。

やっほー。 です。湿度も低くて気持ちいい。


渓谷だけど、今の季節、水は流れていません。
だけど、雨の季節にはきっと川の底だな。

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何かなってる…。

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ここから更に35km。

1898年に始まったこの辺りのかなりローカルな採鉱地も、
1913年にはゴールドラッシュによって、人口も増加。

という事で、かなり森の中に入り込んでいるにも拘らず、
警察署や郵便局などのお役所の跡が残っています。


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次は西へ行くよ。



西に向かうLarapinta Driveから、Namat Jira Driveに沿って

West MacDonnell 国立公園があります。


その公園の入り口にあるSimpson gap。

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約6000万年かけてRoe川の流れによってできた渓谷で、
岩肌にロックワラビーを見かけました。
そして
アリススプリングスで、最も私の心に残っている場所がここ、
アリススプリングスから約50km、

Standley chasm

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西マクドネル国立公園に隣接していますが、
アボリジニの土地なので、キオスクで入場料を払う必要があります。

ここは水の流れでできた渓谷ではなくて、
地殻変動によって裂けたって言うのが、想像しやすいのじゃないかと思います。

こういう場所って日本だと、間違いなく「パワースポット」なる場所になって、
間違いなく人が押し寄せる筈なんだけど、
ここはこんなにも凄い場所なのに、滅多に人に会わない(笑)



ところでこの「スタンドレー」は、アリススプリングス初の女性教師、
アイダ、スタンドレーさんに因んで付けられました。

という情報を読んだ時に、
バックトゥザフューチャーにでてくる、女性教師を思い出しましたよ。


アリススプリングスから南西に131km、

Hermannsburg

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ここは、人口600人ちょっとのアボリジニのコミュニティですが、
1877年、ドイツ、ルター派の宣教師によって開発され、
この辺りのアボリジニの人達は、彼らの影響を強く受ける事になります。

警察との対立や、揉め事の仲介してくれる宣教師によって、
彼らの生活はぐっと円滑になった筈です。

でも

1800年代後半に、中央オーストラリアのアボリジニの子供たちに教育を… 。

なんて言うと聞こえはいいけど、

自分達の思想や価値観、文化を教え込む訳だから、
手放しで喜べる話なのかどうかはちょっと疑問。


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そんなHermannsburg Historical precinctには、
南オーストラリア州のドイツ人牧師の影響を受けた、
ドイツ式石造建築の教会や学校、住宅が残っています。

その敷地の中にあるKata anga tea roomで

よそ者の私には全く興味なさそうだけど

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実は結構気にしてるっぽい猫にも出会える。

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Hermannsburgが生んだ、
オーストラリアを代表するアボリジニアーティスト。

アルバートナマジラさん。

彼は1902年にここヘルマンで産まれ育ちました。

彼の水彩画はダーウィン博物館でも見る事ができるよ。

ダーウィン博物館で彼の絵を見た時に、
どうしてアボリジニのヘルマンさんがあんな水彩画を描く事ができたのか
疑問だったけど、こういう事だったのね。


そしてこのコミュニティは、



驚きのソーラーパワー。

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すげぇ。。


次に行くよ。




Elley creek

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泳げるらしいです。
いやいや、この色の水に入れますか。


アリススプリングスから西に110km、

Ochre pites

ここは凄いよ。
いいモノ見せてもらった感があるよ。

オークルピットは、地層が白、黄色、黄土色、
オレンジ、赤、茶色のグラデーションになっていて、
このマルチカラーな土は、アボリジニの日常生活で大活躍。

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例えば黄土色の土は、狩猟用の木製の武器をシロアリから守るために使われたり、
赤色はお守りとして、白色は軟膏にとか、
絵や儀式にも使われる土は、アボリジニ文化にとって重要な物のようです。


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そういう事なので、
間違ってもこの土に触ってはいけません。


アリススプリングスから135km西、

Ormiston gorge and pond

水の力でスベスベになった岩はホンと気持ちいいから、
ずっと座っていたくなりますが、
この崖の上の展望台までがんばって歩くのも悪くないです。

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こんなとこまで来ちゃってるわけだから、むしろ行くべきかも。

実はこのWest MacDonnell 国立公園には、
ブッシュウォーキングやトレッキングが大好きな方にぴったりの、
総距離223kmが12セクションに分かれた、

「Lalapinta トレイル」というトレッキングコースがあります。

こんなかんじで。

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キャンプ場も各場所にあるみたいですが、
アリススプリングスのホテルに滞在しながら車で移動して、
毎日1~2コースを歩くスタイルが人気のようです。
私もいつか挑戦するつもりです。

おススメの季節は6月~8月で、最悪なのは10月~2月です。
何があっても水だけは忘れるなよ。


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世界唯一の大陸縦断鉄道、「ガン」については、
たしか以前に書いたような気がしますが、
アリススプリングスには小規模ながらも、ガン鉄道博物館があります。

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1878年に建設が始まった縦断鉄道ですが、なかなかの困難をきわめ、

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大人の事情もあったりで、
アデレードとアリススプリングス間の運行が始まったのは、1928年の事。

それから更に北の終着駅、
ダーウィンまでの鉄道が完成したのは実に2003年の事でした。


現在はアデレード~ダーウィンの約3000kmを2泊三日、週二本の運行です。



そのガン鉄道博物館の隣にあるトラック博物館。

古いトラックから

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今、一押しの新車まで、

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気が済むまでトラックを見学できる博物館で、
まぁ、正直なところ、興味がない人は時間の使い方が分からない施設(笑)






スチームパンクなエミュー。欲しー。
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アリススプリングスの街も、歩いてみるとなかなか楽しいです。

ロイヤルフライングドクターサービス基地の中を見学したり、

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トッドモールでお買いものしたり。




そういえばブリスベンに来て思ったのだけど、

ノーザンテリトリー州はバラマンディ料理がおいしい。

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食べといてよかった。





カンガルーも美味しかったな。

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街の外れにある、アリススプリングス カルチュラル プリシンクト

全部で8つの建物があって、

Kookaburra memorial aviationには

知っている人は知っている、ディック、スミスさんが1978年に発見した、
1929年に不時着したクッカバラ号も展示されています。


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航空博物館ありの、アートセンターありの、充実した展示施設ですが、
特に中央オーストラリア博物館は、
化石や鉱物、標本がぎゅっと詰まって、完全にようこのツボな博物館です。

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そして遂にアリススプリングスを離れるよ。


北に戻ってテナントクリークへ向かうよ。

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